悩み相談事例 2

◆仕事で悩んでいたBさんの悩み相談

30代男性のBさんから、「仕事に対するモチベーションが上がりません」という相談を受けました。
現在の状況とそれに対するBさんの見解を私は尋ねてみました。
するとBさんは、「自分にはこの仕事は合っていないと思うので、それが原因のような気がします」と答えました。
なるほど。確かに自分に合っていない仕事を続けるというのは辛いですよね。私にも経験があるのでよく分かります。
でも、このように仕事に関係した悩み相談を扱う場合、画一的な見方を極力しないように、私は心掛けております。
なぜなら、モチベーションが上がらないのは仕事が自分に合っていないからだというのは、現時点でのBさんの見解であり、本当にそうなのかどうかはまだ分からないからです。
「Bさんにとって、自分に合っている仕事とはどういう仕事ですか? 現在の会社で自分に合っている仕事をするにはどうすればいいでしょう? Bさんに今不足しているものは何だと思いますか?」等々、様々な質問を私はBさんにぶつけてみました。
Bさんは、1つ1つじっくり考えてから答えてくれました。
そして、このようなコーチングセッションを数回繰り返すと、1つの結論が見えてきました。
Bさん自身もちょっとビックリしていたのですが、「自分は今の仕事をけっこう気に入っている」ということが分かってきたのです。
それなのにモチベーションが上がらないというのは、何か別の原因が考えられます。
現在のスキルに問題があるのか? 職場の人間関係に問題があるのか? プレッシャーやストレスが原因なのか? など色々な角度から、停滞している原因について私は切り込んでいきました。
すると、意外な方向にセッションは向かって行きました。
それは、「適齢期なのに最近恋愛がうまくいきません。今は相手もいないので、どこか焦りみたいなものがあります。このことが仕事に対するモチベーションにも影響しているような気がします」というものでした。
つまり、Bさんの場合、プライベートの問題が仕事のモチベーションに影響を及ぼしていたのです。
でも、相談を始めた時点では、本人はまだそのことに気づいていませんでした。というより、認めたくなかったので無意識のうちに問題をすり替えていたとのことでした。
この無意識というところがポイントで、自分自身と深く向き合うことで、ようやくそのことに気づいたのです。
どうすれば結婚も視野に入れた恋愛がうまくできるか? そして恋人に出会うためにはどうすればよいか? というコーチングセッションがここからスタートしました。
そして、その後、私との契約期間中に、Bさんには本当に相手が見つかりました。
仕事自体は自分に向いていないのではなく、むしろ合っているということがすでに分かっております。
ですから、プライベートが充実したおかげで仕事のモチベーションも一気に上がり、公私共に充実した生活が送れるようになりました。

今回の悩み相談では、当初の相談内容とは別のところに答えがあることが、コーチングセッションを通じて分かりました。
仕事に関しての悩み相談は非常に多いのですが、実は今回のように、全く違う方向にコーチングセッションが向かうことがたびたびあります。
相談者はよく、「こんなに自分自身の気持ちと向き合ったことは、今までありませんでした」とおっしゃいますが、Bさんの場合も、自分という人間の現在大切にしている優先順位を深いところで確認したことにより、本当の意味で道が開けたのだと思います。
「自分がこんな風に考えていたなんて、ちょっと意外でした」「何を望んでいたのかが見えてきました」「同じところでグルグル回っていたのが、ウソのようです」・・・セッション終了後に相談者がよく口にするセリフです。
これまで、私が扱ったビジネスコーチングの案件では、「今の職場でもっと自分を活かすにはどうしたらよいか?」というところからスタートしたのですが、途中からテーマが変わり、結局、転職という道を選択した人がいらっしゃいます。
もちろん、セッションを重ねたうえでの、前向きな理由での転職ですので、その人は旧職より好条件の会社への転職に成功しました。
また逆に、「転職をしたい」というところからスタートした人が、コーチングセッションの中で今の職場の良さを再認識し、現職に留まったうえで資格取得という道に活路を見出したケースもあります。
お客様に対する営業に関しての悩み相談が、家族関係の問題を解決することでうまくいった例もあります。
つまり、前述のとおり、仕事に関係した悩み相談を扱う場合、画一的な見方を極力しないほうがより柔軟に対処できるのです。
例えば、「会社に行くのが辛い」といった悩み相談を受けた場合、「仕事が辛いのではなく、会社が辛いと言うのだから、職場に関係する悩み相談なんだろう」という先入観を持ってしまうと、答えの選択肢が狭まってしまいます。
相談者は、散々悩んだ末に相談してくる場合が多いので、1つの見方にこだわってしまっているケースも少なくありません。
ですから、相談を受けた場合のコーチの側は、本当の問題は何なのか? 悩みの本質は何なのか? ということに細心の注意を払う必要があります。
仮に同じ内容の悩み相談でも、100人の相談者がいれば答えも100通りあります。どの答えがその人にとって最良の答えになるのか、それを相談者と一緒に見極めていくことが、コーチングによる悩み相談では大切だと思います。

※他にも悩み相談の事例を、私が代表を務める“富岡コーチ&コンサルタント事務所のホームページ”で公開しております。ぜひご覧になって下さい。
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